このページでは、私、水木杏子がこの事件を知った<いきさつ>、そしてどのように切ない日々を過ごしてきたか、水木の代理人、伊藤大祐弁護士が作成してくれた文書を公開しようと思います。

 

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      漫画「キャンディ・キャンディ」に関する著作権侵害について

 

                    漫画キャンディ・キャンディ原作者

                       水木杏子(名木田恵子)

                    同代理人

                       弁護士  伊藤 大祐

 

あらまし

漫画キヤンデイ・キヤンデイは、原作者水木杏子・漫画家いがらしゆみこの二人により講談社「なかよし」に昭和50年から54年まで連載されたストーリー漫画です。

その後20年余りの長きにわたつて両者とも著作権者とする権利処理が行われ、平成7年には相互に契約まで交わしていたにもかかわらず、近時いがらし氏による水木の権利を無視する行動が相次ぎ、訴訟にまで至っております。

平成9年5月23日、水木はキャンディ・キャンディのプリクラが設置されていることを偶然に知りました。このような企画について知らなかった水木が不安を覚え調査したところ、もっと以前の3月に、水木の目の届きにくい香港で、マンガの出版契約まで無断で締結されていたことも発覚しました。

その後出版契約については何とか解決したものの、その解決の直後に企画の内容の説明もない一方的な承諾要求がいがらし氏から内容証明郵便でなされ、説明要求等を行ううちに一方的に理由もなく契約の破棄を宣言してきました。

その後、いがらし氏らは「複製原画」なるものの販売を無断で強行し、たまりかねた水木は9月差し止めと慰謝料請求という形で訴訟を提起していがらし氏の再考を促しました。

しかし、水木の提訴に対しいがらし氏は水木には著作権はない、ストーリーは全部自分が作ったという主張を展開し、無断制作物の制作も全く停止せず、むしろ大々的に展開して今に至っています。

 

  1. 漫画キャンディ・キャンディに関する権利関係について

そもそも漫画キャンディ・キャンディは、水木の各回の原稿をもとにいがらし氏がそれを漫画化して成立した作品です。法的には水木・いがらし氏両者の共同著作物であるか、水木の原作をもとにした二次著作物です (無論、漫画作品成立の実際の過程を考えると、担当編集者や編集部の貢献・寄与にも多大なものがあります。)共同著作物・二次著作物のどちらであっても、水木の承諾なく利用行為はできません。

水木の主張はこのような単純なものですが、これに対していがらし氏は、次のように主張しています。

第一に、漫画キャンディ・キャンディのストーリーはいがらし氏が作ったものであって、水木の原作は参考著作物に過ぎない、という主張があります。しかし、いがらし氏も連載の毎回について400字詰め原稿用紙で40枚程度の原稿が書かれていた事実は認めております。いがらし氏が独自に工夫したと主張されている点はストーリーを作ったといえる程のものではありません。また、一方でストーリーの骨子なるものを作ったと主張していますが、それは単に作品コンセプト程度のものに過ぎず、これとていがらし氏一人で作ったものではないのです。

第二に、漫画の絵を使うのは私の自由であるとの主張があります。絵を描いたのは自分だから、というわけです。しかし、ストーリー漫画全体に共同著作者ないしは原作者としての権利が及んでいる以上、そこに含まれる絵(全くのコピーでなくても複製になるというのは確定した判例です。)を漫画家が自由に使用できるものではありません。実質的に考えても、漫画家だけで自由にできる事が認められると、キャラクターイメージの成立に多大な貢献のあるストーリー作成者権利はなきに等しくなります。

訴訟においては、いがらし氏は、自分が以前から書いていた絵とほとんど変わらない絵だから、絵には原作は関係ない、とも主張しています。しかし、この主張は、キャンデイ・キャンディのストーリーの中で活躍したキャンデイだからこそ、キャンディと謳うからこそ、みなさんに喜んでもらえることを認めているものです。いがらし氏は決してキャンディ以外のキャラクターとして色々なものを作っているのではないですから。

また、新しく自分が描いた絵は自由との主張もされています。しかし、いがらし氏から方々のエージエントに持ち込まれている絵は、単行本の表紙の絵をわずかにかえたりしたものが多く、新しいか古いかという点を論じても意味がないものです。同じような絵はいくらでも描ける以上、新しく描きさえすれば自由であるという理屈は成り立たないのです。

尚、訴訟については、争点を絞っ著作権・原著作者の権利に基づく権利の確認・差し止めについて審理されていますが、後述する契約の不当破棄も無視できない問題です。

 

3.本件に関する事実経過

昭和50年 漫画キャンディ・キャンディ、講談社「なかよし4月号」に連載開始。

昭和54年 「なかよし3月号」連載終了。

連載途中から講談社なかよしKCコミックスで単行本化。その後も東映で          アニメ化やキャラクターグッズの販売等で大変な人気を博す。

平成7年2月 講談社との漫画キャンディ・キャンディの二次使用契約を更新停止。

平成7月11月 水木、いがらし氏、漫画キャンディ・キャンディの利用に関する契約締 結。利用(二次使用を含む事も明記)に関しては二人の同意が必要であることを明記。

平成9年3月8日 いがらし氏関連の香港法人「キャンディコーポレイションリミテッ ド」(本契約における代表者石川正志)が「玉皇朝(ぎょくおうちょう)出版有限公司」と漫画キャンディ・キャンディの単行本の出版契約。(水木はこのとき知らず)

平成9年5月23日 水木、友人からキャンディ・キャンディのプリクラはどこにある か聞かれ、初めてプリクラが作られて設置されている事を知る。

平成9年5月26日 プリクラへの使用を行っていた株式会社バンプレスト(バンダイ の関連会社)の抗議。担当者吉田明常務から、「当然、水木さんは知っていたと思った、申し訳ない」旨、及び機械撤去の確約あり。

平成9年5月30日 香港において無断でコミックスの出版契約が締結されていたこと が発覚。この後、名木田サイドからの抗議及び説明要求に対し、キャン ディコーポレーションは全く応答せず、五十嵐サイドは前年に口頭で許諾したはずとの言い逃れ。玉皇朝出版は非を認め、個別契を提案。個別契約締結へ

平成9年6月24日 水木と玉皇朝出版有限公司、個別契約を締結

平成9年6月26日 いがらし氏代理人山崎和義弁護士からの解除予告付きで企画承諾の 一方的要求通知到達。

平成9年7月2日 内容も分からないのに承諾できかねる旨返答。翌日到達。

平成9年7月7日 山崎和義弁護士から契約を一方的に解除する旨通知書到達(7月4日 発送)。

平成9年7月11日 契約解除は無効である旨指摘。その後、株式会社フジサンケイアドワーク朝井専務は、「こういう状況では動かせない」旨伊東に語る。

平成9年8月18日 フジサンケイアドワーク企画に係る「複製原画」の無断出版強行。

平成9年9月16日 いがらし氏・フジサンケイアドワークを相手取り「複製原画」出版 差し止め等の訴訟提起。その後、いがらし氏から、水木の不存在確認の反訴提起。一時和 解解決が模索されるが、結局裁判所の判断を求める事になる。

平成10年2月 伊勢丹府中店にて「いがらしゆみこ展」。グッズ類を販売。

平成10年3月 大阪の文具製造会社・株式会社サンメールがレーターセット等、7種の 製品を無断製造販売(マルシー表示は「いがらしゆみこ」のみ)。現在同社を相手取り、大阪地方裁判所で差し止めの仮処分事件が審理中。

平成10年6月16日 カバヤ食品株式会社から「キャンディ・キャンディ」キャンディ が無断で販売開始(マルシー表示は「いがらしゆみこ」のみ)。同社には大阪の弁護士から抗議。交渉過程で同社代理人弁護士からの連絡が途絶え、同社の意向は不明。

平成10年7月 靴クリームのコロンブス株式会社の雑誌広告にキャンディが使用される。 抗議するも応答なし。

平成10年8月 椿山荘にてイベント。会場においてグッズ販売。

平成10年8月6日 いがらし氏及び椿山荘イベント関係会社を相手取り差し止めの仮処 分申立。

平成10年10月 荒川郵便局にてふみカードを無断販売。

平成10年10月7日 フジテレビ「アニメソング超ベストヒット100」にて漫画キ ャンディ・キャンディの絵柄使用。「提供いがらしゆみこ」との表示。当番組の担当者によるとフジテレビの見解としては静画には原作者の権利はおよばないという。

平成10年10月11日 日本テレビ「オシャレ関係」にいがらし氏出演。グッズ類の 紹介。ジグゾーパズルの無断製造を知る。

平成10年11月11日〜13日 版権関係の会社、タニイ株式会社の展示会(浅草橋)。 同社に対しては8月に既に警告文を発していたが、レターセット等の文具、時計、玩具、食器類、カバー、財布、ビーチ用品、Tシャツ、その他雑貨等の多数 の製品を展示。これらの製品には、なぜか<マルシー>は 「(C)いがらしゆみこ 水木杏子」となっている。

水木は一切関知していない。

平成10年11月17日 東京地方裁判所第622号法廷にて、水木、いがらし氏 証人尋問。

平成10年11月20日 岡山県、倉敷にて「いがらしゆみこ美術館」オープン。 キャンディ・キャンディのグッズを多数販売。株式会社 向日葵の経営。 <館長 いがらしゆみこ>

…………

平成11年1月10日 業界誌<ファンシー ショップ>にて大々的に キャンディ・キャンディのグッズのキャンペーン特集。版権元 株式会社ダンエンタープライズ、プロデユース元 サンブライト株式会社

「キャンディ・キャンディ プロジェクトリスト」

(株)アップルワン カード関連、ジグゾーパズル

(株)アルゴス 陶器、グラス、アミューズメント

ウルシハラ(株) 手袋

岡本(株) 靴下

(株)荻原 トランクス

興和(株) ホームソーイング、ハンテン、ユカタ、甚平 クッション

サムシング(株) 財布、Pバッグ

サングリーンリバー(株) ベルト、サスペンダー、小物ポーチ関連

(株)サンマミー オメン、祭りグッズ

(株)シナダ ヌイグルミ(人形)

スケーター(株) ランチ関連

(株)ゾットジャパン 腕時計、置き時計

田口帽子 (株) 帽子

橘織物 (株) 寝装具

タニイ(株) 大人衣料(アウター)、レインコート、水着、 ビニールバック、ウインドブレーカー、ベンチウォーマー、マフラー、変身スーツ ハンカチ、エプロン

東邦化工(株) 玩具(水廻り物含む)

(株)ドリームズ・カム・トゥルー 掛け時計、携帯電話関連

(株)ドリームワールド ガーデニンググッズ

(株)ニシオ 大人衣料(インナー、下着、パジャマ) 子供衣料(アウター、インナー、下着、パジャマ)

(株)パートナー ビニール小物関連

(株)ビッグベン ジグゾーパズル

(株)ポイント ステーショナリー

(株)マルト長谷川

丸八タオル(株) タオル、巻きタオル

(株)ラークス バック(スクールトート、カジュアル)

(株)ラッキーコーポレーション 装粧品

以上26社

 

平成11年2月17日〜

キャンディ・キャンディ・ネットのホームページをリニューアル

2月末よりアイプロダクションが通信販売を行う予定を発表。

平成11年2月25日 判決 東京地方裁判所にて

 

4.関連訴訟事件等

(1) 東京地方裁判所平成9年 (ワ)第19444号 出版差し止め等請求事件

原告 名木田恵子 (水木)

被告 五十嵐優美子 (いがらし氏)

株式会社フジサンケイアドワーク

現在、著作権又は原著作者の権利の確認及び差し止めの請求に整理されている。

 

(2) 東京地方裁判所平成9年 (ワ)第24480号 著作権不存在確認反訴事件

反訴原告 五十嵐優美子

反訴被告 名木田恵子

  1. の事件の整理の結果、取り下げられた。
  2.  

     

     

  3. 東京地方裁判所 平成10年 (ヨ)第22091号仮処分命令申立事件
  4. 債権者 名木田恵子

    債務者 五十嵐優美子ほか2社

    現在(1)の事件の審理を先行させることとして事実上停止中

     

  5. 大阪地方裁判所 平成10年 (ヨ)第2242号仮処分命令申立事件

   債権者 名木田恵子

   債務者 株式会社サンメール

   11月 結審

以上