グッズについて
この事件は、いがらし氏が<自由にビジネスをしたい>という強い意志を実行したことから始まったと解釈しています
このページでは、現在の争点の中心になっている<二次使用>つまり、<グッズ>に
ついて記していこうと思っています。いがらし氏は<水木はすべてのグッズの製作販売に反対している>といっていらっし
しゃるようなので、そのことについての水木の考えをお話しします。まず、水木杏子はキャンディのグッズの製造、販売について、基本的には<賛成>で
あり、キャンディが広く愛されることはありがたく(その上、もったいなくも不労所得をいただけることに感謝…)と、思っていることを明記しておきます
キャンディのグッズは20年以上前、原作者の水木がびっくりするほどの種類が作
られました。その中には(こんなものまで…)とキャンディにすまなく思うような製品もたくさんありました。そのおかげで、わたしたちは、<ロィヤリティ>をいただいたわけです。いじらしいほど<働き者の娘>に水木はとても感謝していました。(当時はもちろん、わたしの著作権についていがらし氏も認めていました。)
そんないきさつもあって、「また再びキャンディのグッズが世にでるチャンスがあっ
たならば、吟味したよい製品を出したい。キャンディのイメージをそこなうことのなものを…」といがらし氏にも話していました。そうすることが、キャンディを忘れずにいてくれる「読者」への恩返しに、また親孝行なキャンディ自身も喜んでくれるのでは、と思っていたのです。
一人よがりな考えだったのかもしれません。
けれど、いがらし氏はそのことに、特に異議を唱えなかったので、彼女も同じ考えだと思い込んでいました。
事件の発端
1997年5月、キャンディのプリントクラブが発見された事が始まりでした。そ
のプリクラは同年3月頃 、水木に無断で(株)バンプレストにより制作され3台設置(有料)、TV、雑誌などでも紹介されていました。いがらし氏のマネージャー山本昌子 氏を代表(香港代表 石川正志)として設立した香港のキャンディコーポレーションと(株)バンプレストが仮契約していたのです。マルシー表示も(C)CANDYと勝手に変更。この件は(株)バンプレストが自発的に機械を撤去してくれました。しか し、「まだ書面も取り交わしていないので」と(株)バンプレストはくわしい説明をさけています。いがらし氏サイドによると、このプリクラの件はテストケースであり「本契約になったら水木にも報告するつもりだった」といっていました。けれど水木はプリクラの契約を結ぼうとしたキャンディーコーポレーションなる会社の存在も知らず、「版権はうちで貰った」といって(株)バンプレストに同行したフジサンケイワークの朝井専務のことも知りませんでした。複製原画の問題
フジサンケイアドワークの企画、製造、販売による「現代版画
」と称した複製原画 これこそが水木がもっとも怖れていた商品です。これは版画ではなくオフセット印刷 によるプリントと判明しています。現在では版画の範疇はひろがったそうですが、オフセットであれば良識のある業者は、「オフセットプリント」または「オフセットリト」と 表示し、価格も納得のいくものであるといいます。その上、この複製原画はサンケイリビングが扱う「通信販売製品」として、1997年8月「産経新聞朝刊」にて全面広告で売りに出されました。それ以後、水木がクレームをつけるまでの半年間「産経新聞」に10回ほどの広告をうっています。「産経新聞事業部」に係争中であることを説明すると、すぐに次回からの広告は中止してくれましたが、その商品についての説明を求めるとリトグラフであるとか、シルクスクリーンなどとはっきりしない説明に終始しました。この製品は表示もあいまいで1998年2月末からの伊勢丹府中店の「いがらしゆみこ展」では「高級版画」として販売していました。水木がこの製品 に疑問をもったのはその個展に行った元美術関係者から「あれが版画として販売されるのはおかしい」との指摘をうけたからです。価格もプリント物であるのに3万円から10万円以上というのも水木としては納得がいきません。むろん、いがらし氏のサイン 入りなので「いくら出してもかまわない」といってくれるファンもいるでしょう。 購入したファンのなかには「こんなことは知らない方がよかった、水木に騒いで欲しない」との意見もあることでしょう。しかし、きっとキャンディを愛し、そばに置きたいという純粋な思いで購入してくれたファンに「適切な価格」あるいは、通販で届いても納得のいく製品であって欲しかった、と思っています。水木は原作者としてその「プリント物」の複製原画を認めたくはありません。いまでも、「現代版画ミクストメディアとしてどこかで販売を続けているようです。
「グッズ」を許可できない理由
無断で出版されたフジサンケイアドワーク製作の複製原画「差し止め」が今回、水木が
「訴訟」に踏み切った始まりです。いがらし氏はすぐに「水木には著作権はない」といって反訴してきました。単純な「契約違反」(いがらし氏と水木は双方合意の上で二次使用する、という契約書を交わしていたので)が著作権の有無にすりかえられ今日まできてしまいました。その後、係争中にもかかわらずフジサンケイアドワークは数種類の製品を販売しつづけ、1998年7月ごろには(株)コロンブスの靴クリームのキャラクターにキャンディを売り込み、また同年10月、荒川郵便局(ふみカードなど)の企画、製造にも携わり続けていました。常識では係争中の営業販売は自粛するはずです。フジサンケイアドワークはことの経過を重々知りながら、カバヤ食品(株)にも売り込み1998年6月16日、3種類のあめを発売。1999年2月現在いまだに販売中です。カバヤ食品(株)には5回ほどの書面を送りましたが、お返事はたった1回で弁護士より「当社では原作者には著作権はないと理解している」とのはっきりとした見解をいただいています。その他、「アースプロジェクト」との契約で大阪の(株)サンメールが数種類の文具を1998年3月発売。(株)サンメールは係争中だと知らされていなかったと主張していましたが、そのまま販売を続けるので(「いがらし氏の弁護士がいいといった、まだ著作権の判決が出ていないんでしょう」との解答)1998年8月大阪にて仮処分の申請をして、11月結審しています。(株)サンメールもカバヤ食品(株)も「マルシー表示はいがらしゆみこ」のみ。しかし、1999年2月現在、発売中の商品には「マルシー表示いがらしゆみこ
水木杏子」と水木の名前が無断で入れられています。業者もフジサンケイアドワークから版権元が「(株) ダンエンタープライズ」にかわっていました。水木がその「ダン」の存在を知ったのは1998年9月21日です。突然電話があり、「商品を許諾して欲しい」といってきました。「水木さんのお名前もマルシーにいれてありますので」とのことでしたが、次の理由で断りました。1
勝手にマルシーに名前を入れる事は許諾できない。2
係争中であり、わたしは著作権がないといわれている3
なにをつくったかも知らないそして、「とうてい許諾は無理であるから、もし製品の製造をしていたらはやくストップ
してほしい。でないと多くのひとに迷惑をかけることになる」そう答えました。「ダン」は「わかりました。」と答え、そのまま接触はとぎれました。
ところが、11月13日、浅草橋の「タニイ(株)」にて大々的にキャンディグッズのコレクションを行いいがらし氏のサイン会まで開いたのです。その後、関西方面のアニメイトなどでグッズの販売が始まったようです。東京でも、博品館などで水木のマルシー入り未承諾のグッズが販売されています。マスコミにこの事件が取り上げられなかったらもっと大々的に販売していたかもしれません。
グッズ販売の一番乗りは倉敷の「いがらしゆみこ美術館」です。そこのオーナー「(株)向日葵」も代理人をたて、11月のオープンまぢかに許可を求めてきました。「ちゃんとローヤリティーをはらう」つまり、お金をはらえばいいだろう、というスタンスです。
もちろん、水木は許可しませんでしたが堂々と開館したことはいうまでもないでしょう。
美術館についてはいがらし氏の作品を鑑賞するだけなら問題も少ないのですが「水木未承諾」のグッズの販売が中心のようで切ないかぎりです。
水木杏子は以上の「未承諾」グッズ販売はけっして「許可」はしません!
なりをひそめていた「ダン」は水木サイドから1999年12月、「何社に売りこんだのか?」と接触するまで、沈黙し、販売し続けていました。(現在は、26社から38社と判明、ダンからではなく業界新聞からの情報)やはり「お金を払うから売らせろ」「作った業者がかわいそうだろう」「ファンがグッズを待っている」などの「おだやかな脅し文句」を弁護士を通していってきていますが、水木の決心はかわりません。
水木はこの事件のなかで、そんな業者たちに絶望しました。はじめは何も知らないで契約したとしたら、申し訳なく、なんとか救う道を考えなくては、と思っていました。
しかし、どの業者も一社として誠実に話し合うという「姿勢」さえみせてくれませんでした。漫画の本をみれば一目瞭然なのにどこも「著作権の判決が出てないんでしょう?」という非礼な態度に終始しました。一人前の「大人」として恥ずべきことと、感じています。
そのような業者たちの「立場」を考える事はもうやめました。そんな業者の多くがキャンディを知らないのです。「キャンディ?そんなのわたしは読んだことありませんが、まあもうけましょうや」そんなことをいう業者たちにキャンディをゆだねるのことはできません。
それに、そういった事を許諾することは
1
契約書があっても「無視」して「やったもの勝ち」「あとでお金をはらえばよい」
2
「マルシー表示」なども「無視」名前を勝手にとっても入れても「あとでお金を払えばよい」
こういった悪しき前例を作る事になりかねません。すべてお金で解決する…この世はそれだけではないはずです。そして、キャンディはグッズのためにうまれた作品ではなかったはずです。こんなことがまかりとおれば、「契約」も「マルシー」もなんの意味もありません。また、驚いたのは「マルシー」について管理するシステムがないことでした。しかし、それはそれだけ掟を破るひとが今までいなかったということなのかもしれません。
なにも知らずグッズを作ってしまった業者のひとがいらしたら…ほんとうにお気の毒です。どうか、「あなた」に係争中と知りながら、「契約」させた「業者」に責任をとってもらってください。なにもお力になれなかった事、どうかご理解ください。
以上、水木杏子の「権利」が認められた判決をいただいたときを前提としたものです。この事件には「判例」がありませんでした。ですから、著作権があるというわたしには当たり前の判決がでても、「原作の権利がどこまで漫画におよぶか」についてはどのような判断になるかわからない、ということを付記しておきます。