最高裁判決を受けて
 
2001年(平成13年)10月25日
 
名木田恵子弁護団 弁護士 向井 千景
          同  伊東 大祐
          同  坂井 大輔
 
 本日,「キャンディキャンディ著作権裁判」について,最高裁判所の判決が言い渡された。
 原著作者である原作者に,二次的著作物である漫画著作物の上に権利を認め,その権利の確認と,漫画家による無断運用に対する差止を認めた,当然の内容の判決である。
 平成9年5月,プリクラでの無断運用が発覚し,同年夏の「複製原画」の強行販売に対する当然の抵抗として,平成9年9月に始まった本件の訴訟が,4年以上の期間を要して,ようやく最終の結論に至った。
 原作者は,25年前に戻っただけ,と述べているが,この当然の内容の判断が確定するまでに,これほどの期間を要し,その間に無断商品化等が更に行われ,際限なく紛争が拡大されてしまったことは残念な限りである。
 著作権はいわゆる知的財産権の一環をなすが,産業の発展等の政策目的が強く反映する特許権等の工業所有権と異なり,思想または感情の創作的表現に対して当然に権利が認められ,保護される権利であるという点で,いたずらな技術的論議より健全な常識が妥当する領域である。
 本件の審理において,紛争の実質に根ざさない技術的論議が行われ,紛争が長期化した面がなかったか,本件紛争の過程自体が,知的財産権紛争に携わる法律家に対して反省の材料を提供するものと思われる。
 そのような場面での紛争について,常識に根ざした判決がされたことは,裁判所に健全な常識が生きていることを示したものである。
 本件に関しては,いまだ何件もの訴訟が係属しているが,漫画家を始め訴訟関係人に対しては,速やかに全ての紛争を終息させるように望みたい。
 
以上